ひとくちに治具と言っても固定や接着、切断などさまざまな目的や用途がありそれに応じた道具が開発されています。検査治具もその中の一種であり、文字通り検査のために用いられる道具です。検査治具が使用されるのは、出来上がった製品の測定や品質の保証のための検査です。通常こういった精密検査とも言える場面において、ノギスやマイクロメーターといった微細な測定器が用いられます。
しかし製品の形状によっては、こういったミクロな対象物を計測する測定器でさえ使用が困難な場面もあるでしょう。そういった場合に役立つのが、チェックに特化した検査治具という訳です。製品のチェックに適した、その対象製品とマッチするように治具が製造されます。品質の管理のためにハイトゲージや三次元測定器を用いても良いですが、その度に生産工程がストップしていたのでは利益が下がりかねません。
裏を返せば、製品を作り出すための金型とそれをチェックする治具はセットで必要なものと言えるでしょう。生産工程を円滑に進めて、効率を向上させるだけでなく品質の安定化にも役立ちます。従来の計測器であれば、人によっては測定値の差異が出てしまうこともあります。測定結果の個人差をなくすことで、品質の均一化が図れるため生産現場では重宝される道具の1つです。
検査治具にはスチール素材、もしくは樹脂や木材で簡易に作られたタイプがあります。また用途に応じて、スチールと樹脂の複合素材で作られている場合もあります。